
2025.04.11
漁場の推定は、漁業において重要な課題である。本研究では、海面水温パターンに基づく漁業者の意思決定プロセスを、パターン認識の課題としてモデル化した。これらのパターンから漁場位置を推定するために、深層学習に基づくキーポイント検出器を用いた。しかし、モデルの学習にはアノテーション用の漁獲データが必要であり、その量には限りがあった。この問題に対処するため、本研究では弱教師あり学習とメタラーニングを組み合わせた漁場推定のための学習戦略を提案した。弱教師あり学習とは、ラベルが不完全または不正確である、部分的にアノテーションされたデータやノイズを含むデータを活用する手法である。本研究においては、漁獲データは漁場の一部しか網羅しておらず、一方で、容易に入手可能で漁獲データよりも大量に存在する航跡データは、漁場を不正確に表現している。メタラーニングは、学習中に学習率を調整することで、こうしたノイズにモデルが適応できるよう支援する。本手法では、まず航跡データで事前学習を行い、その後、漁獲データでファインチューニングを実施した。さらに、事前学習時にメタラーナーを導入することで、ラベルノイズの影響を一層低減した。実験の結果、本手法は漁獲データのみを用いたベースラインと比較してF1スコアを64%向上させ、事前学習およびメタラーニングの有効性を示した。
研究成果
- "Improving fishing ground estimation with weak supervision and meta-learning", Kazuki Takasan, Masaaki Iiyama, PLOS ONE, Vol.20, No.4, e0321116, 2025-04. https://doi.org/10.1371/journal.pone.0321116
- 飯山研究室M2の高三君との共著です
